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編集者が声をかけたくなる人とは

最近「いつか本を出したい」という声をよく聞きます。

書店に自分の名前が印刷された本が並ぶ。Amazonに自分の本が載る。そしてランキングに登場する……。確かにエキサイティングですよね。

でも「いつか」と言っている限り、その日はやってきません。「いつか」を具体的な日付に変えていくためには、知っておくべきこと、やるべきことがいくつかあります。

ということで、今回からは「出版社から本を出したい人」に向けて、何回かに分けて書いていきたいと思います。

編集者が「この人の本を出したい!」と思う人とは?

出版社は会社ですから、お金を稼ぐために本を作ります。そして、出版社に属する編集者は「担当した本の売れ行き」でシビアに評価されます。

どの出版社でも、編集者の年間担当冊数がある程度決まっていることが多いです。いわゆるノルマというやつですね。

おそらく多いところで12冊くらい、平均で9〜10冊くらい担当することが多いのではないでしょうか。

ノルマをこなしつつ自分の評価を上げるため、編集者は常に「売れる本を出せる人はいねが〜!(なまはげ風)」と、鬼の形相で未来の著者を探しているわけです。

編集者であれば、書店で、ネット上で、ちょっと気になる人を見かけたら、その人を「売れる本を書けそうか」レーダーで判定しているはずです。びびび。

そのときに、以下の3つの要素のうち、どれを一番重視するか。ちょっと考えてみてください。

①文章力がある
②コンテンツ力がある(テーマの一貫性、目新しさ、量)
③ファンがついていて拡散力がある

答えは③。「ファンがついていて拡散力があるかどうか」です。

なぜか。

確実に本を売りたいから。そのひと言に尽きます。

その人が本を出したときに、「その人が書いた」という事実だけで中身を見なくても買ってくれる人、Amazonで早々に予約してくれる人、つまり濃いファンがどれくらいいるかをとってもとっても重視します。

ネット上で「わたし、本出しますよー!」とその人が拡散したとき、その声がけに応えてくれる人数がある程度見込める。そういう人に、編集者は「本、出しませんか?」と声をかけます。というか、そういう人にしか声をかけられません。

なぜか。

売り上げが見込める企画しか通らないから。

本を出すためには、社内で企画を通す必要があります。厳しい審査をくぐり抜けてはじめて、編集者はその人に声をかける権利をゲットするわけです。

出版業界が厳しさを増しているのは、皆さんご存じだと思います。ですから、出版社としても「確実にある程度売れる」「出しても赤字にならない(であろう)」著者の本にしかGOサインが出せないのです。

もちろん、ファンがついている人というのは、基本的に②のコンテンツ力も持ち合わせていることが多いです。だからこそファンがついているんですよね。

ただ、持っているコンテンツはとてもおもしろく、興味深いとしても、ファンの人数がそれほど多くなかったり、ファンとのつながりが弱かったり、ネットでの影響力が大きくない著者の場合、売れ行きが伸び悩むことが多いです。残念ながら、それが現実なのです。

本を出すために必要なファンの人数

その具体的な人数、知りたいですよね。ね? ね?

では、お伝えします(深呼吸)。

ずばり、1万人です。

ツイッターや、その他のプラットフォームで1万人フォロワーがいる人は、「未来の著者」フォルダの中に入ることができます。

おそらく、どの出版社でも1万人を基準にしているのではないかと思います。あくまで人数です。「あなたの発信を常に見られる状態にしている人が1万人いるかどうか」が大切です。

ブログのPVは、人数ではないのでもっと大きい数が要求されると思います。

もちろん、ファンの「濃さ」も重要です。水増ししたフォロワーは本物のファンではないので、おそらくその人が本を出しても買ってくれないでしょう。

ですので、「フォロワーとのやりとりの濃さ」も重視します。

フォロワーとの関係がとっても濃い場合は、必ずしも1万人のフォロワーがいなくても、出版の声がかかることがあります。

次回は「なぜ1万人が基準となるのか」について、わたしの考えをお伝えしたいと思います。

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