「学びはハードルが高い」と感じているあなたにおすすめの一冊
あなたは学ぶのが好きですか?
「学ぶの大好きです!」という人も(ネットの世界を知り、そういう人がたくさんいることを知りました)、「学ぶのが好きすぎて、いろいろ手を出すものの全部中途半端」という人もいれば、「子どもの頃から学びを強要されて、もうコリゴリ!」という人もいるかもしれません。
私自身は、もともと
学び? 正直ピンと来ません。どちらかというと苦手です。
という人です。受験勉強がトラウマになっているのかもしれません。
そんな私が「学び」がテーマのこちらの本(↓)の編集を担当させていただくことになり(いいのでしょうか)、ついに完成しました!
尾石晴さん著の『自分らしく生きている人の学びの引き出し術』。
いよいよ発売です!
この本は、「学び」という言葉が気になっていても、「私にはハードルが高い」「今の私には時間がなさすぎて、学びなんて無理!」と思っている人にこそ、ぜひ読んでいただきたいと思っています。
「学びなんてさ!」と小石を蹴りたくなる方は、ぜひ読み進めてみてください。
「学び」はハードルが高い?
「学び」という言葉。高尚でちょっとハードル高く感じませんか?
私が「学び」と聞いて、真っ先に思い浮かんだのが、語学や資格取得、受験のための勉強。
「やらなきゃいけないのはわかっているけど、取りかかるには腰が重いもの」というイメージを強めに持っていました。
でも、それって「学び」というより「勉強」に対するイメージかも。
そう思って改めて「学び」という言葉について考えてみると……案外ちゃんとした定義として捉えられていないことに気づきます。
あれ? そもそも「学び」ってなんだっけ?
担当編集者、このレベルからスタートです(笑)。
しかし、私がそう思うということは、同じように思う人が一定数いるということ。
はるさんは本書の中で、このように書いています。
学校での勉強はもちろん、自分の趣味や興味に関する知識を深めることも学びです。
新しいスキルを習得するためのトレーニングを行ったり、ワークショップに参加したりすることも学びにつながります。
経験からの学びも重要です。
チャレンジして失敗したり、困難にぶち当たったりして教訓を得るのも学びといえます。
他人との対話やコミュニケーションを通じて、自分と異なる視点や知識を得ることも学びにつながりますよね。
このように、学びはさまざまな形で生活の中に存在します。
「学び」と聞くとハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、私たちは生きているだけで多くの学びをしています。
『北斗の拳』ではありませんが、「お前はもう学んでいる!」状態なのです。
『自分らしく生きている人の学びの引き出し術』P27より
生きていることは、学びそのもの。
つまり、私たちは日々学んでいるということ。
はるさんもケンシロウも(違う)、そう言っている……!
日々の生活の中で経験したこと、それこそ失敗したことや、人と対話して得られた気づきなども「学び」なんですね。
そう捉えると、「学び」がぐっと身近に感じられそうです。
私が最近得た「学び」
「学び」のハードルが下がった私が、最近得た「学び」を1つご紹介します。
私は海外に住んでいるのですが、1年ほど前に買い替えた炊飯器で炊くお米がどうにもおいしくないんですよね。
パサついて固い。お米本来の味を引き出せていない感じ。
海外仕様の炊飯器とはいえ、象のマークで有名な日本のメーカー製。
お米も以前と同じ「あきたこまち」を使っている。
先代の虎のマークの炊飯器で炊くごはんは、もっとおいしかった気がするのに、なぜだろう……。
やっぱり象より虎なのか!?
そこではじめて炊飯器についてネットで調べたわけです(遅い)。
すると、炊飯器には3種類あって、加熱方式が違うことがわかりました。
そして、
マイコン(低価格帯) < IH(中価格帯) < 圧縮IH(高価格帯)
の順で値段が高くなっていることを知りました。
炊けるごはんのおいしさも、もちろん価格と比例するわけです。
私が購入した炊飯器は「マイコン」方式。
日本では高価格帯が人気で(ごはんのおいしさを求める民族)、マイコン方式はあまり売られていないのだそうです。
しかし、海外では依然として多く流通している。
「日本のメーカー製だったら、安くてもおいしく炊けるでしょ!」と安さ重視で炊飯器を選んでしまった私。
しかし、私が食べたいおいしいごはんを炊くには、少なくとも中価格帯の「IH」方式の炊飯器を買う必要があるのです。
知らなかった……!
こうして、私は「炊飯器を安さ重視で買ってしまう」という失敗を経て、海外の炊飯器事情について「学んだ」わけです。
こういう毎日のちょっとしたあれこれが「学び」。
そう思うと、「学び」をもっと軽やかに楽しんでいけそうですよね。
子育て中に「学び」をするのは無理?
「育休中に新しい学びをしたいけれど、そんな時間も気力もない……」
「職場復帰して、これから自分のスキルをさらに磨きたいけれど、とにかく時間がない!」
そういう方もいらっしゃるかもしれません。
はるさんは、本書の中でこのように書いています。
リソースが不足しているとき、人は「学びたい」という気持ちが湧いてきません。
「学びたい気持ちがないわけではない。でも、本を読んでいると寝てしまうし、隙間時間があれば、スマホを開いてダラダラしてしまう」。
こういう方は、学びができているかどうか以前に、まずリソース不足を疑ってみてください。
リソースがあってこそ学びのサイクルが回るのですが、大人はそもそもリソースを確保するのが難しいのです。
なぜなら、仕事をしたり、家事をしたり、子育てをしたりと、やるべきことがたくさんあり、それらにもリソースが必要だからです。
『自分らしく生きている人の学びの引き出し術』P154〜155より
さすがはるさん……! 共働き子育て世代の味方!
リソースが不足しているときは、学びが進まなくて当然ですよね。「学びどころじゃない。寝たい、休みたい」というのは、人間として当たり前の欲求だからです。
そうはいっても、すべてのリソースが確保できるまで待っていたら、そんな日はいつになるのやら。
リソースがないと「何もできない」と考えがちですが、これを「枠」として使えば、スキル・能力を増やすこともできます。
リソース不足を前向きな制約として捉えることで、効果を発揮する可能性があるのです。
<中略>
「リソースがない=できない」ではなく、制限を「枠」としてうまく使うと、それが「新たな学び」の呼び水となります。
ここでいう「新たな学び」とは、「やることを絞る=やめることを決める」ための行動(学び)を指します。
<中略>
「やめるための学び」とは、リソースを確保するための学びです。
『自分らしく生きている人の学びの引き出し術』P159〜161より
そうなんです。
育児中のギリギリ生活の中で「やめることを決める」試行錯誤も、すべて「学び」なんです!(with メガホン)
これだけ生活者としてのリアルな目線で「学び」を語っている本ってないのではないでしょうか?
そして、「学びたくても時間も気力もない」と、小さい子どもとジレンマを抱えている方をこうやって励ましてくれる本もなかなかないと思います。
「学びたくても時間も気力もない……」としょんぼりしているあなたこそ、「学び」の真っただ中にいる。
そんなことが、本書を読むとよくわかります。
子どもの「学びのジック」を見つけるのも楽しい
この本で、はるさんは「何を自分にとっての『学び』にするか」を決める軸を「学び軸」と名づけています。
「学びの引き出し」と「学び軸」に関しては、この本の「はじめに」を掲載している、はるさんのnoteをご覧いただくとわかりやすいかもしれません。
「学び軸」は目に見えるものでもない「概念」なので、わかりやすく説明するために、この本では「学び軸」を「学びのジック」と擬人化して説明しています。
ジックには、アンテナが生えています。
このアンテナは、自分が興味関心のあるものに反応し、「好きなこと」「興味があること」だけを拾い上げる役割を果たします。
そして、アンテナが反応すると、ジックはくるりとバレリーナのように回転しながら、インプットとアウトプットを繰り返して、アンテナがピックアップした情報を「学び」として自分のものにしていきます。
ジックの体型は、その人の持っている資質、特性です。
独学で自分のペースでやるほうが学びが進む人もいれば、集団でワイワイ学んだほうが学びが進む人もいます。
目で見て視覚的に学ぶほうが習得しやすい人もいれば、耳で聞いて学習するほうが理解しやすい人もいます。
このように、「どういう方法、環境だと学びが進みやすいか」というのは人それぞれですよね。
手足の長さ、太さなど、体型が人によって違うのと同じです。
つまり「学びのジック」は人によって違うわけですが、子育て中の方は「わが子のジックはどんな体型なのか? アンテナは何に反応するのか?」を考えながら、お子さんを観察してみることをおすすめします。
「あ、これはアンテナに引っかかるけど、これは引っかからないな」
「この方法だとジックの動きが悪いけど、この方法だとうまく回転できそう」
など、本書を読むと、子どもの「学び」をまた違った視点から観察できるようになりますよ!
『自分らしく生きている人の学びの引き出し術』、ぜひお読みいただいて、感想やアマゾンでのコメントなどをいただけると、私も大変うれしいです。